QUEEEN×銚子電鉄2

銚子電鉄

6.4kmを自ギャグで守る!?
銚子電鉄の魅力に吸い寄せられて
 <銚子のスター 竹本社長の魅力>

第二弾!


こんにちは!QUEEEN GROUP CEOの鹿野幸子です。
みなさま、お元気でいらっしゃいますか?

新企画【QUEEEN×銚子電鉄】の第2弾は、銚子電鉄・竹本社長のインタビューをお届けいたします。ちょっと長いのですがお付き合いくださいね。



★仕事は「副業」⇒「複業」⇒「福業」を目指す

インタビュー当日、違う場所でお仕事を済ませて銚子に駆けつけてくださった竹本社長。貴重なお時間を割いてくださり、感謝です。

 

―― 竹本社長は銚子電鉄の社長としてひっぱりだこでありながら、電車の運転もされていますよね。しかも、税理士としてもご活躍です。お忙しいと思いますが、それらのお仕事はどのように進められているのでしょうか。

 

竹本社長 : いわゆる「副業」はサイドビジネスですが、私の場合は電車でいう「複線」の「複業」なんです。ダブルワークは大変なこともありますが充実感を得られるので、両方の仕事をこなす喜びを追求しています。最終的には最上級として、幸福の「福業」を目指したいと考えています。
銚子の町はかつて9万人を超える人口がありましたが、現在は5万7千人を切り、町はどんどん衰退しています。労働人口を増やさないと町が発展しないので、「複業」として銚子で経済活動を行う、すると、地域が活性化する。そういう意味で、幸福の福の「福業」なんです。

 

―― なるほど、「福業」だと仕事をしながら幸せになれそうですね。銚子電鉄では、「福業」に向けて何か取り組んでいることはあるんでしょうか?

 

竹本社長 : 犬吠駅の駅舎の2階にワーケーションスペースを設けました。仕事で疲れたら海に行こうとか、リゾート感覚で楽しみながら仕事に勤しんでもらえるような場の提供です。コロナでストップしてしまいましたが、逆に働き方が変わってきているので、今後はこのような事業が増えていくかもしれません。
ちなみに、私は大学の授業の講師もしていますので、強いて言えば、3つ仕事をしていることになります。銚子にある大学、千葉科学大学です。


★文字通り全国を飛び回っている竹本社長

―― 大学の講師もされているなんて、なんとお忙しい!竹本社長の1日のスケジュールはどのような感じでしょうか?

 

竹本社長 : その日によって全然違いますし、行ったり来たりです。千葉に私のオフィスがありまして、自宅は木更津。社長としての職場が銚子なので、同じ千葉県内とはいえ約120kmの距離を車でがんがん走り回っています。なので、1日銚子でデスクワーク、という日はないですね。最近は講演会なども多いので、今週は北海道、来週は福島など、日本中を飛び回っていますよ。

 

―― あちこち移動して多彩なお仕事をこなしていらっしゃる。いくつもお顔があると混乱しませんか?

 

竹本社長 : 電話に出たときに間違えることはあります。相手先は私のことをご存じなので問題にはならないのですが、やはり意識の切替が必要だと思っています。一般的に社長の1日のスケジュールは、朝に来客、9時に幹部と打ち合わせ会議、と言いたいところですが、そうはならないんですよ。とにかく打ち合わせをしている暇がないので、お昼はほとんどコンビニ食。コンビニの駐車場で流し込む感じですね。あ、10回までは噛むようにしています(笑)。

 

―― よく噛んでくださいね(笑)。

 

竹本社長 : もちろん会議はあります。月に1回、市役所で開催されます。補助金をもらっているので、千葉県の交通計画課の方と銚子市役所の方に経営状況の報告をするんです。当社がいつも「危ない、アブナイ」と経営状況が不安定なことを売りにした発言をするものですから「ほんとに大丈夫なの?」と毎月監視されているというか(笑)。県や市も心配してるんでしょうね。でも、本当に経営状況がギリギリで……。


★自ギャグネタで難局を笑いに変える

―― 「アブナイ」「まずい」という経営状況を乗り越えるコツがあったら教えてください。

 

竹本社長 :  当社はコロナの2年間でさらに厳しい状況のなか、SNSを通じて窮状を訴えています。ポイントはギャグを交えること。自虐ネタですね。「自虐」は他人を傷つけることはありませんが、その代わりに自らを虐げるのでテンションが下がってしまうんです。そこでギャグを加えるという手法を思いつきました。笑い飛ばしてしまえば自分も傷つかないというメリットが生まれるんですね。いつの間にか「自虐+ギャグ=自ギャグネタ」のくせがついて、常に自ギャグで対応するようになってしまいました(笑)。

 

―― これが有名な「自ギャグ」ですね(笑)

 

竹本社長 : はい。でも、ときどき滑ることもありまして、相手の方に言われます。「おや?自ギャグですか?」そこで、こう答えます。「はい、その通り。おや、自ギャグ(親父ギャグ)です」って。逃げ道まで用意して、自ギャグネタ路線を突っ走っているというのが現状です(笑)。
常に立ち止まってはいけない、マグロと一緒です。泳いでないと死んじゃう。恐らく過労死するまでやり続けるんでしょうね。笑ってもらってなんぼの世界です。「待ってました!」というファンの方がいれば、「自ギャグネタはいい加減封印したら?」と言われることもありますが、つぶれるまでやり続けようと思ってます。


★トップが持つリスクテイカーとしての覚悟

―― そのバイタリティーはどこから出てくるんでしょう?

 

竹本社長 : やっぱり「借金」を背負っているから、じゃないでしょうか。責任ある立場として動いているので、「何とかしないといけない」という使命感があります。何もしないのが一番のリスクです。企業として手をこまねいていては危機に陥ってしまう。もちろん、何をするにもリスクはありますから、リスクテイカーとしての覚悟をもっていくべきだと思っています。

 

―― なるほど、かっこいい!リスクテイカーとして、失敗されたことはありますか?

 

竹本社長 : いっぱいあります。だいたい失敗してますね(笑)。でも、かっこつけるようですが、そこは代表者としての責務です。リスクテイカーとしての覚悟だと自分に言い聞かせて、会社と運命をともにするという気持ちを持つべきだと思っています。逃げるわけにいかないですし。
かつて海軍では、戦艦や巡洋艦が沈むと艦長は船と運命を共にしていました。船が沈みかけたら乗組員たちは避難させますが、艦長は柱に自分の体をくくりつけるわけです。私は別に軍人精神を持っているわけではありませんが、指揮官としてそんな思いを持てたらいいかなと考えています。
この仕事は生涯かけて取組むべきだと思いつつも、2年に一度、取締役は交代します。株主総会でクビになるかもしれません。でも、辞めても借金の保証人だというのは消えないので、個人の実印はいつでも押せるように持っています。そういった意味ではリスクテイカーという覚悟は絶対に必要だと思っていますね。


★安全が守られてこそのエンタメ鉄道

―― 今までお仕事をされてきて、一番辛かったのはどんなときですか?

 

竹本社長 : 脱線事故が起きたとき、輸送障害ですね。事故が起きたのは、平成26年(2014)の1月11日の朝、単線の線路がふたつに分かれるポイントのところでした。低速で進入したのでけが人はいませんでしたし、お客さんも土曜で7人ぐらいしかいなかったんですが、鉄道に対する信頼を揺るがすようなことは絶対にしてはいけないという思いを強くしました。

 

―― 原因は何だったんでしょう?

 

竹本社長 : 不祥事があったせいで、当社は長い間補助金をもらえませんでした。なんとかぬれ煎餅を売った収益だけで線路を直していましたが、もう限界だったのです。線路や地盤を少しでも改良したい、保線に力をいれなくてはならない。そう思いながら、安全には細心の注意を払っています。ただ、コロナで経営状況が非常に厳しく、かけられるお金が限られているのも事実でした。
当社はエンタメ鉄道などとふざけたことをやっていますが、それが目的ではありません。真剣にふざけているとはいえ、鉄道の安全が守られて初めて実現することですから、それを目的にすると本末転倒になってしまいます。つまり、安全が担保されないと、エンタメ鉄道はまったくの砂上の楼閣になってしまう。そこが一番重要なところですね。

 

―― エンタメ鉄道は安全を確保したうえで目指す先、なんですね。


★地元のみなさんに救われた

竹本社長 : そんなときに立ちあがったのが地元の銚子商業高校の生徒たちでした。高校生が電車修理代の500万円を、クラウドファンディングで全国から集めてくれたんです。すごいことですし、本当にありがたい。とはいえ、事故は一度を起こすと大変で、修理には全部で2000万円、期間は1年3か月もかかりました。448日かけて直したことになります。

 

―― うわ~、大変!その間は残りの電車で運行しなければなりませんよね?線路はすぐに直せたんですか?

 

竹本社長 : 線路の修理に2週間かかりました。そのときも近隣住民のみなさんが励ましてくれたんです。「毎日当たり前のように走っていた銚子電鉄がないと困る」「今までありがとう」「電車が直るまでの間、駅舎を掃除して待ってるからね」と、温かい言葉をかけてくださいました。

 

―― なんて素敵なお話!

 

竹本社長 : 電車復活の日には、高校生たちと「ありがとうセレモニー」をやりました。沿線住民のおじいさんやおばあさん、小さなお子さんを抱っこしたお母さんたちが手を振って「銚子電鉄がんばれ」と応援してくれたのはうれしかったですね。

 

―― めちゃくちゃ地域に根ざしていますね。素晴らしいです!こんなに話題になってテレビに出て、沿線にお住まいの方に喜ばれているのでは?

 

竹本社長 : 住民のみなさんのなかには、銚子電鉄がなければないで困らないという人もいると思います。すべての人に愛されているかはわかりませんが、「銚子という名前がテレビに出るのはうれしい」とおっしゃる方は多いですね。
先ほどの高校生たちのクラファン活動がある日、「ナニコレ珍百景」という再現ドラマで取り上げられました。すると、その番組を見た農家の方が応援したいと本社にやって来られたんです。包みにはキャベツ、さらに現金が入っていたのには驚きました。
地域のみなさんをはじめ、全国の方に助けられて銚子電鉄はこの地に立っていると実感しています。


★あきらめずに行動することが大切

―― 地域の方だけでなく全国の方からの応援はうれしくありがたいですよね。最後に、このお仕事をするために必要な力は何だと思いますか?

 

竹本社長 : 時間と想像力ですね。そしてアイディアが浮かぶまで考え続けること。アフリカのある部族が雨乞いをすると100%雨が降る、という話があります。なぜかというと、雨が降るまで雨ごいをするから。そう、雨はいつか降るんです(笑)。
つまり、何事に対しても絶対にあきらめない、という気持ちが大事だと思います。念仏のように唱えるんじゃなくて、行動すること。突破口があると信じて探し続ける。それがあきらめないという言葉の具現化だと思います。当たり前のことですが「あきらめない=行動が伴う」ということです。

 

―― 考えたことを実践に移すのはなかなか難しいのでは?

 

竹本社長 : そうですね。時間はすぐ経ってしまうので、やれそうなことは即実行していかないといけません。面倒くさいと思っても、いいアイディアが思い浮かんだら重い腰を上げて、それを具現化していくというプロセスが重要なんです。取り組んでいくその過程、プロセスに価値があるんじゃないでしょうか。プロセスからの充足感が自分にとっての報酬ではないかと思っています。そういう意味でも、現在は充実した日々を送っていると感じていますね。

 

―― 長いお時間、たくさんのお話をしていただき、ありがとうございました。


★インタビューを終えて

つらつらスルスルとお話が繰り出されるさまは、まるで“わんこそば”のよう。それが楽しくておかしくて、随所にちりばめられた「竹本流ギャグ」に笑いが絶えないインタビューとなりました。どちらかというと地味なお顔立ち(失礼!)の竹本社長ですが、ものすごく人を惹き付ける魅力がある方で、まさしく「銚子のスター」でした~!

 

竹本社長は子どもの頃からモノをつくることが好きで、普請道楽だとのこと。自ら設計した露天風呂風のお風呂に浸かって考えるのが唯一の健康法だと話してくださいました。のんびりできる時間はあまりないそうですが、少しでも寛げる時間があることは大切ですよね。お忙しくとも充実した毎日を過ごされている竹本社長。QUEEENとして見習うべきところがたくさんあると感じずにいられません。

 

竹本社長の銚子電鉄での多大な功績やご活躍ぶりもご紹介したいところですが、他メディアの記事ですでに掲載されていることもあり、QUEEEN MEDIAとしては竹本社長ご本人の思いや考えに迫る内容に絞らせていただきました。とはいえ、竹本社長のお話はまだまだたくさんあります。次回からの記事にも竹本社長のお言葉が登場する予定ですので、どうぞお楽しみに!


★How to 銚電

銚子電鉄って、どこを走ってるの?

銚電の基本情報 ※銚子電鉄HPより一部抜粋(2022年5月末日現在)

社   名:銚子電気鉄道株式会社
資 本 金:69,100,000円
設   立:1922年10月10日
発行済株数:24万株
主なる事業:普通鉄道業、食品製造販売業
本社所在地:千葉県銚子市新生町2丁目297番地
代   表:竹本勝紀(代表取締役社長)
職 員 数:24名
営業Km程:銚子~外川間 6.4km
駅   数:9駅(銚子駅を除く)
車 両 数:電気機関車1両、制御電動客車6両
運 転 数:38本(19往復)


★QUEEENのモットーとは

誰もが生まれた時から
唯一無二で特別なQUEEEN(クイーン)。
奇跡の命。

Mrs.QUEEENは、
時代に適した新たな生き方や、新たな価値創造の場を提供し、経済的・精神的に自立した女性の活躍を多方面から支援サポートし、社会に貢献する好循環を創出します。
QUEEENは、地域に密着した社会貢献活動、地域創生活動、広報サポート活動も行っています。

真の美しさは、心から滲み出る。内面の豊かさは、装飾美を遥かに超える。
女性たちよ、心からもっと美しくなろう。窮屈な概念はいらない。自由になろう。
自分らしく、楽しみながら美を磨く。

QUEEENは、楽しさと新しさで、女性美意識を解放します。
QUEEENは、女性の経済的・精神的な自立を支援します。
QUEEENは、女性の活躍を多方面からサポートします。